前回、古文においては助動詞が非常に重要だという話をした。

覚える助動詞の数は28個。古文の教科書で一覧ぐらい見たことがあるだろう。

正直あれを全部覚えるって思うだけで気が滅入る。だが、それはあの表を丸々見せられたからであって、覚えること自体はそんなに難しいことではない。

古文の単語でもゴロゴでいえば565語だし、マドンナ古文や他の古文単語帳で言っても精々300語程度。英単語に至っては数千語単位だし、その中にも過去形が特殊な形だったり過去分詞やら比較級、to不定詞を取る動詞、-ing動名詞を取る動詞など、古文に比べれば英語の方がよっぽど複雑だ

しかも古文の助動詞は接続が決まっている。接続で決まるというのは「助動詞が付く上の言葉」によって使う助動詞が限定されるということ。逆に言えば、それさえ覚えてしまえばほとんど公式化できてしまう

さて、本題に入ろう。

古文の助動詞をてっとり早く覚えるコツはいくつかある。それを今から紹介していこうと思う。

①「未然・連用・終止・連体・已然・命令」の並びを覚える

なんてことはない。助動詞活用表の一番右側にあるこれらの言葉をまず覚えてしまう。というのは、助動詞を覚えるにあたって、おそらくほとんどの参考書はこの並びで助動詞の活用を紹介しているので、この順番をとりあえず覚えておけば「この助動詞の~の形って何形だっけ?」というど忘れにも即座に対応できる。

②未然形から順に声に出して覚える

これも英単語同様、声に出して覚える。ひらがなで、形も最大で6つしかないのでリズムよく、できれば早口で何度も復唱する。例えば入試超頻出、過去の助動詞「き」であれば、「せ・〇・き・し・しか・〇」を「せ・まる・き・し・しか・まる、せ・まる・き・し・しか・まる・・・」という風に早口で言う。この「〇」の部分はこの形にはならないという意味未然・連用・終止・連体・已然・命令の順に当てはめていけば、連用形と命令形の部分が〇なので、「き」の助動詞は連用形と命令形が存在しないことになる。

③書き込み式の参考書を使う

古文の文法は英語の文法と違って非常にシンプル。基本的には上に何がついているかで形が決まる。意味に関しても「る・らる」「む」「べし」は意味が多いことで有名な助動詞だが、大体の判別はすでに公式化されているので基本的な意味と活用を頭に入れたうえで、同じ問題でアウトプット(練習問題等で実践)を行うことは非常に即効性が高い

古文単語にも同じことがいえるが、文法上基本的なデータをインプットしたうえで、例外(例えば係り結びの法則)などを集中的に潰していった方が効率的に網羅できる。

そのうえで書き込み式の参考書は非常に役に立つ。

書き込み式の参考書は助動詞そのものの説明+練習問題で基礎的なトレーニングを積みつつ、完成した後は最高の復習材料になるからだ。

これから問題集や模試などで古文をやっていくと助動詞の問題は100%ぶつかる壁だ。その時に忘れてしまっていたり、うっかり間違えてしまうこともあるだろう。

そういった時、一つの「まとめノート」として完成された書き込み式の参考書は、間違えた部分の再確認はもちろん、練習問題で再び確認、また周辺知識を補強することが出来る。先に述べた通り、古文の文法問題はある程度公式化(パターン化)できるので、同じ問題を繰り返すだけでも効果は十分に期待できる。

僕はアルス工房の「不二古典」という参考書だけで古文文法を習得したが、どうやら今は絶版らしい。書き込み式で非常に薄く、パッと手に取って復習しやすい個人的にいい参考書だったのでけれども、上下に分かれていたので今は「古文文法ゴロゴ」に一本化されたのかな?

それ以外だと河合塾の


ステップアップノート30古典文法基礎ドリル (河合塾シリーズ)

がオススメ。

さすがベストセラーだけあって、王道の内容と構成。特にクセがあるわけでもなく、迷ったらコレというような古典文法参考書の代表格。古文文法の基礎というのは、どの受験生も当たり前のように勉強してくるのでそのレベルに到達するための参考書。

またはシグマベストの


古典文法マスタードリル (シグマベスト)

もいいと思う。著者の西村雪野という方は代ゼミでも非常にわかりやすい説明をすることで有名な講師。

④接続ごとに助動詞を暗唱する

助動詞は活用のほかに「何形に接続するか」も覚えておかなければいけない。助動詞の意味は個別に覚えていかなければいけないが、この接続に関しては活用同様声に出して覚えた方がいい。各助動詞を勉強するときに何に接続するかまで勉強するが、この段階で一気に頭に入れた方が効率がいい。勉強するときに接続を覚える助動詞は完了の助動詞「り」だけでいい。

例えば、未然形に接続する助動詞は「る・らる・す・さす・しむ・ず・じ・むず・まし・まほし」。これもできれば早口で音読していきたい。

連用形接続の助動詞は「き・きり・つ・ぬ・たし・たり・けむ

終止形接続は「べし・らむ・らし・めり・まじ

大きく分けてこの3グループ。順番はこのままでも口に出しやすい順でもいい。なぜ接続を覚えておくことが重要かというと、入試においては基本的に

(   )+助動詞

という形で上の空欄部分の形が問われる。さらにここに敬語が絡んでくると更に厄介になる。特に「給ふ」という敬語の識別は入試で超頻出。ここでは詳しくは書かないが、「上の形は下が決める」という古文の基本的な性質上、非常に問われやすい部分なのだ。

まとめると

  1. 音読で活用を覚える
  2. 書き込み式参考書で整理する
  3. 接続をまとめて覚える

1と2は同時にやった方がいいかな。

このように段階的にやっていくことが地味な古文文法をなるべく早く、そして効率よく習得するコツ

以上が助動詞を勉強するにあたって押さえておきたいこと。

この記事では即効性の高いドリル形式の参考書を紹介したが、講義形式の参考書でちゃんとした説明がききたい、という人は実際に書店に行って何カ所か助動詞の説明を読んで、「あっ、これ分かりやすい」って思ったモノを買うといい。講義形式の参考書は練習問題が少ないことには注意しておこう。

有名な著者だと代ゼミの望月光という方の著書が有名だ。


望月光 古典文法講義の実況中継(1) (実況中継シリーズ)


望月光 古典文法講義の実況中継(2) (実況中継シリーズ)

この人の実況中継シリーズは書店だと古いものもあり、古文はそもそも昔の言葉なので古い方を買っても構わないのだが、この人もプロの予備校講師なので出題傾向に合わせた講義内容にしている可能性は十分に考えられる。巻末で発刊年度を確認してから買った方がいいだろう。

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