今回は新聞について。
よく情報を調べている人は「新聞の社説を読め!」みたいなことは聞いたことがないだろうか。
実際、社説、特に朝日新聞の社説は大学入試にも出てくることがある。
http://info.asahi.com/admissions/campaign/
たまたまこんなサイトを見つけたので今回新聞についての記事を書こうかと思った次第だ。
個人的な意見だが、僕は新聞を読むことは国語の成績アップとは大して関係ないと思うので少しづつコメントしていきたい。
- 読み書き能力が身に付く
多くの大学が、学びの基礎の基礎ともいえる「読み書き」の能力を試したいと考えています。そのための対策はずばり「新聞を読む習慣を身につける」ことです。そうすることで自然に読み書きのスキルが身につきます。
まず「新聞を読む」」習慣を身に着けることで「読み書き」の能力が着くのかというのは非常に疑問である。「新聞を読む」以外の具体的な手法が一切かかれていないので疑問に思わない人はいないだろう。
そもそもにおいて何らかの文章を読むとき、現代文の問題文を読むように、文章の意味を理解することから始めなければならない。それが「読む」の基本だ。そして「書き」とは「読ん」で理解した事柄、自身の知識などを総括りにして思考し、それを言語化することである。
それをいきなり「新聞を読めば自然に読み書きができるようになる」というのは大嘘だとしか思えない。
- 情報感度が高まる
これについては僕も異論はない。新聞は毎日朝刊と夕刊だけでも少なくとも2回は発行されていることが多いだろう。それは世の中で起きている出来事というのは非常に多種多様で目まぐるしく変化するものであるからだ。
世の中で起きている様々な出来事に対して常にアンテナを張ることは、自身のリテラシー、判断能力の向上につながる。そして新聞では事実報道の他に社説をはじめとした「問題提起」の役割を担う紙面も存在する。
そういった文面を読むことは今世の中で何が起こっているのか、そしていかにして対策を取るべきかを考える材料になる。
- 知識が広がる
これについても特に異論はないが、僕個人の感覚としては知識・情報を得るのであればネットのニュース(まとめサイトではなくYahoo!ニュースやLINE NEWSなど)だけで十分だし、そこからわからないことを自分で調べるということの方が有効ではないかなと思う。スマホで完結できて効率もいい。そのためにわざわざ新聞とるか?と言われれば僕はとらない。
総評しても世の中の流れを扱っているという点で小論文対策にはなるだろうが、現代文の直接の対策にはならないと個人的には思う。
そもそもほとんどの紙面が事実の報道、広告で覆われているものが新聞なので勉強素材としての価値は学習参考書・問題集一冊に劣るだろう。世の中の時事問題についてはSNSや硬派なニュースサイトでは政治家をはじめとした専門家達が直々にコメントをしていることが多いのでその意見を参考に自分の意見を組み立てた方が有効だと思う。
まあこのブログを読んでいる人たちは小論文は99.9%やらないと思うので新聞は読まなくていい。一日数回ニュースアプリを起動するぐらいのことはやったほうがいいが。
現代文は
- 語彙の意味・感覚
- 読解力向上(書かれていることの意味を理解する力)
- 情報整理力(ロジック・論理展開ともいう)
が後にも先にも必須事項なので、それが社説を読んで養われるかというとうーん・・・と言わざるを得ない。河合の現代文の問題集やった方が効率いいと個人的には思う。
あくまで新聞は「情報を収集し、それをもとに自分で考えるための素材」に過ぎないといわざるを得ない。社説と天声人語はその役割を担うには良くも悪くも癖のある紙面だと感じる。というのは主張に大して感情論で(悪く言えば政治的に)語る部分が多々見受けられるからだ。これは昨今の天声人語にも当てはまる。入試の現代文は感情論は排除されている(客観性が担保されない)ので、それらを読む訓練をしたからといって現代文の成績が上がるかどうかは甚(はなは)だ疑問である。
まあ社説は「社説」と検索すればバックナンバーが出るので興味がある人は読んでもいいと思うが、ニュースサイトで十分だとは思う。