今回はセンター試験対策について。
現役生浪人生問わずほぼ100%受けるであろうセンター試験だが、そもそもセンター試験は受ける必要があるのか、という話をしていく。
国立受験生はほぼ必須なので私立文系のセンター試験の概要から。
出願期間がもう終わっているので今からとかそういう話はしないが、このセンター試験、そもそも対策する必要があるのか、という話。
僕は以前、「私立の問題は模試と全然違うので現時点での成績を気にする必要は全くない」と言ったが、センター試験はちょっと事情が違う。
まず、センター試験はほぼすべての受験生が受ける試験であるということ。
そして私立受験は「センター試験利用」という試験制度を取っていることが非常に大きい。つまり、センター試験そのものが合否判定の材料になるという点だ。
特にセンター試験は一般試験よりも難易度が低い、出願料も安い、対策しやすい、とメリットが多い一方、その敷居の低さゆえに、倍率が高くなる可能性がある。
センター試験は完全にマーク形式のため、分からなかったところがたまたま当たって得点が上がったり、国語でいえば「現代文のみ」対象となったり、社会の得点を2倍にして計算したり、リスニングの得点は問われなかったりと、大学によって対象科目・得点配分が異なるという大きな特徴がある。
僕は「漢文が必要ない」センター利用入試のみを出願した。漢文を勉強するつもりはさらさらなかったし、もし現代文だけであれば、試験時間80分全部現代文に費やすことが出来るし、仮に古文が入っても、漢文に費やす時間を現代文と漢文にそれぞれ割り振ることが出来る。法政大学っていうんだけど。
ただし、センター利用にも当然リスクはある。合格者数でいえば一般入試よりも少ないし、ゴリゴリにセンター対策をやった国立受験組が出願してくるし、滑り止めにセンター利用出願をしてくる可能性が非常に高いということだ。
そういった連中からセンター利用で合格を勝ち取るためには最低ラインが8割ぐらいになるんじゃないだろうか。細かいデータは分からないが、センター利用もセンター利用で一般入試と遜色(そんしょく)ないほどに難易度は高いと考えていい。
だから、もしセンター利用を考えているなら、
- 特定の範囲のみの点数を参照する
- 高得点を安定してとれる科目の倍率が高い学部
に絞って出願するのがいいだろう。
現実的な合格ライン確保として活用するのであれば、MARCHはやや難易度が高いので日東駒専あたりであればかなりコスパは高いと思う。
逆に言えば、しっかりとセンター対策をすればMARCHクラスでも合格することは不可能ではない。先程も言ったように僕は漢文の得点を問わないところのみに出願したが、漢文なんてやる必要があるのは本当に一握りなのでそこに費やする時間のことを考えればぶっちゃけコスパは悪いと思う。もちろん漢文対策を既に始めている人は考えてもいいだろうが、そういう場合、センター国語はかなり重要になってくるので、もしセンター利用を考えていない、漢文が出題される大学を受ける予定がないのであれば思いきって切るのも手だ。
というわけで、センター利用をする場合は
- 自分の実力
- 科目
- 配点
- 漢文に時間をかけるコスト
これらを吟味して出願しよう。
https://passnavi.evidus.com/(旺文社)
ここから各大学の入試情報が見られるので、自分が受けようと考えている大学の情報は最低限調べておこう。
さて、本題はここから。一応「センター対策はするべきかどうか」というのが本題。
結論から言うとするべきだと個人的には思う。
まず一つ目の理由としては上にも挙げたようにセンター利用で滑り止めに使える可能性があるため。一般的にセンター試験は一般入試より難易度が低いため、MARCHクラスの対策をしていけば、センター利用でそれ未満の大学はセンター利用で受かる可能性は高くなる。
二つ目はセンター試験自体がそこそこの難易度がある点。特に国語。英語と社会は難易度が高い、とは言えないが、国語は英語と社会に比べて難易度が高い問題だと個人的には思う。
ということは、センター国語をちゃんと対策するということはそのまま一般入試の対策にもなるということだ。もちろん一部では少ない記述問題もあるが、基本的には選択式なのでセンター国語対策をしたことによるデメリットは全くないと考えていいだろう。
そして三つ目がセンター試験そのものが「情報整理」の試験であり、その対策をすることそのものが「応用力」の訓練になるという点だ。
「今でしょ」で有名な林修氏は「林先生が驚く初耳学」内で時々「知の整理が甘い」というような発言をするが、センター試験のみならず、客観問題(試験全般)において得点率が60~70%以上が安定しないということは全て「知識の整理ができていない」ということに尽きる。
社会の問題を筆頭に英語の文法問題、読解問題をはじめ、現代文の読解でさえ、知識の整理ができないことが成績が伸び悩む原因になっている。
ある程度基本的なことを勉強していくと60~70%ぐらいは割とすぐに到達することが出来るのだが、そこから先になかなかいけない、という現象が起きる。
社会の情報整理に関しては想像もたやすいと思うので説明は省くが、読解においても、「書かれていること」を読み「読んだ情報を整理しつつ読む」ということが「問題を解く」ための「手段」であるからだ。
読み進めて、傍線部に当たったときや、英語の第6問で「これに似たことがかかれていたことは覚えているけどよく覚えていない」という経験はないだろうか。その経験こそが、「情報整理」が出来ているかどうかを如実(にょじつ)に表している。
読むことによって得た情報を整理出来ていなければ、正確に把握できていなければ問題は解けない、と言えばしっくりくるだろうか。
センター試験は年度によって問題文の難易度はあれど、シンプルな問題形式をみるに、問われている内容はほぼほぼ変わらず、そしてそれは一般入試にも同じことがいえる。
したがって、センター試験対策をすることはそのまま実際の入試問題に対する頭の使い方を学べるという点で非常にいい勉強法だといえる。
センター試験は毎年絶妙な難易度を含んだ問題を含むので満点をとるのはなかなか難しいが、不可能ではない。しっかり自分の学力を見つめなおし、「自分が選んだ回答に至るまでの思考プロセスと実際の解答とのズレ」を修正することが答え合わせの本質なので、その点に留意しながら復習を仕様。選択形式であれば、選択肢の文章の分からなかったところに線を引いて「?」と書いておくと後から自分で分からなかった所だとすぐに把握できるのでオススメだ。
社会は過去問全部やってもいいんじゃないかな。歴史・理論・事実の修正ってそんなに多く行われるものではないので過去問やってると自分の曖昧な部分も見えてくると思うし、僕も全部やった覚えがある。
というわけで、センター試験は一般入試と大して変わらないものなので「センター対策」などと深く考えずに、自分の受験勉強の一環として、センターの過去問を解く、というスタイルがオススメだ。もちろん、一般入試と多少は問題形式が違う場合もあるので、センター受けないよ!って人は今まで通り勉強しよう。
センター対策の問題はやはり解説が優秀という点で河合塾の問題集がオススメだ。
マーク式総合問題集英語 2019―リスニング問題CD付 (河合塾シリーズ)
社会に関しては先にも書いた通り、修正というのは滅多に行われないのでどの出版社のものをやっても構わない。社会に関してはその性質上、やった問題とまるまる同じ問題が出てくる可能性も十分にあるので、やって損はないだろう。
大学入試センター試験実戦問題集日本史B 2019 (大学入試完全対策シリーズ)
2019センター試験本番レベル模試 日本史B (東進ブックス 大学受験 センター試験本番レベル模試)
センターの問題の質的には代ゼミのものが一番近いと個人的には思う。河合塾のは問題が良すぎて実際のセンター試験の特有さとは離れたところにあるという印象。
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