• 国語ができない一番の原因とは?

国語ができない一番の原因はもちろん「読解力」がないからである。

更には「どうすれば読解力が伸びるか」という国語学習の根幹に関わる部分を小中高の間に継承してこなかった(できなかった)教育業界の現状の責任もあるだろう。

だが、読解力はその大半は自身の鍛錬(たんれん)の成果そのものであることも否定できない。

「読解力の伸ばし方が分からない→読解力が伸びない→何をしたらいいかわからない→点数が安定しない」という致命的なループが発生してしまっている。

  • 文章の読み方には2種類ある

一つは「意味を理解しながら読む」読み方。もう一つは「字面(じづら)をだけを追っている」読み方。

前者が「読解力を働かせながら読む読み方」で後者が「読解力を必要としない読み方」ともいえる。

例えば

 論争の場合には、対話よりも、意見の対立が初めから顕在化している。協同して、問題になっている事がらの真理・真相を見出そうとするよりは、自分の主張と相容れない相手の主張を論破することによって、自分の主張の真理性を根拠づけようとすることに、少なくとも直接的に努力が向けられているから、(1)相互の主張が互いに平行線をたどることが多いし、意見の対立の感情的な反発や敵対心を伴うことも、全く当然なことである。そして、そうした感情的な反発や敵対心が、論争をディアロゴスとしての対話に近づけるのを妨げるものであることは言うまでもない。・・・中村雄二郎「哲学入門」

という文章があるとする。大学受験レベルでは普通ぐらいの難易度の文章だが、例えば、

Q.傍線部(1)「相互の主張が互いに平行線をたどることが多い」のはなぜか。説明せよ。

という問題に即答できる人とできない人の差がまさに「読解力」の有無というわけだ。

「読解力を必要としない読み方」とは意味を理解しない読み方なので、意味を理解することが重要な現代文読解においては「解説が理解できない」という現代文の成績が伸びない諸悪の根源ともいうべき問題内包(ないほう)している。それに加えて、学校で買わされる現代文の問題集の解説が悪いなんで事さえある。

ついでに言っておくが、「傍線部の前後から答えを探す」という手段で回答しているようでは現代文の成績は伸びないし、読解力も身につかない。それこそ、付け焼刃的な手段でしかないので今すぐやめるべきだ。答えは「探す」ものではない

要するに、読解力を身に着けるには「考える力」が不可欠という話だ。文章を読みながら自分の頭で「考える」という作業を繰り返すことによって読解力は養成される。「どういうことか(意味)」を「理解」するために「考える」のである。

大きなまとめとしては

  • 現代文においては「読解力」が重要
  • 文章は「意味」を考えながら読む
  • 読解力は「考える」ことによって養成される

以上のことを踏まえて国語の勉強、読解の勉強をしていこう。

といっても、指針だけ話しても仕方ないので、参考書を一冊紹介しておく。


入試現代文へのアクセス 基本編 (河合塾シリーズ)

言わずと知れた現代文のロングセラー。

レビューはいずれ個別に載せる予定だが、かなり平易(へいい)な文章の読解からスタートして、最後には入試読解の登竜門(とうりゅうもん)ぐらいの難易度の問題が置かれている。

この参考書の特筆すべきことは河合出版特有の「解説の濃さ」にある。特に読解力養成という点では「本文解説」と「問題文」をしっかり理解することがまず重要。

そもそも何周すればいいかとか偏差値いくつ向けとかは大して役に立たない情報なので無視してもよい

この参考書は「入試現代文」の基本を学ぶものである、とタイトルから推察できる。中に本書の使い方という項もあるのだが、この参考書は成績アップのために使うのではない。

この記事を読んだ皆は薄々感づいているだろうが、「読解力」を伸ばすには「考える力」が必要だからそれを意識して勉強していこう、というのはあまりにも無責任すぎるので指針の一つとしてこの参考書を紹介する。つまりこの参考書で「読解力」を伸ばすための「考える力」の基本を身に着けよう、そのために使うのだ。

もっと言えば「読解」とはなんなのか?読解とはどのようにして勉強すればいいのか?というのを明確にするための参考書である。

したがって、何周すればいいとか偏差値いくつ向けとかそういう話ではなく、「読解の基本」を身に着けるための参考書なのだ。だからこの参考書では成績を上げることよりも具体的に何を勉強したらいいのか、そして「理解できる」実感を得ることこそが、この参考書で学ぶべきことなのだ。

その理解できたという実感こそが現代文の成績が伸びない皆の心強い指針となることだろう。

その目的に沿ってこの参考書をつかって何をすればいいのかというと、

  • 本文の意味を理解する
  • 本文解説の意味を理解する
  • 問題解説の「なぜこの解答になるのか」を理解する

この三つに絞られる。これは訓練なので正解不正解は問わない。最終的に「意味を理解する」読み方さえ身に着けられればいいのだ。「考える」習慣を身に着けられればそれだけで収穫なのだ。

全ての参考書のみならず、本を読むときにも大事なことなのだが、「何のためにその本を読む(使うのか)」という目的意識は明確にしておくべきだ。そうすれば、何周するべきとか偏差値いくつとか、そういう情報が全く無価値のものであると判断できるだろう。

【現代文】入試現代文へのアクセス 基本編【参考書ガチレビュー】

「入試現代文へのアクセス」をレビューしました。

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